八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 旭岳 姿見の池

Jun 14, 2012

旭岳 姿見の池

 おはようございます。4時間半睡眠で十分な私は、早くに寝たら3時45分には目覚め、空を見たらもうすっかり夜が明け、真っ青な空が広がっていました。北海道は白夜に近い!(笑)主人は鳥撮り、私はゆっくり朝風呂。湯気の向こうで朝の光が踊っています。その後は朝食までFB。貧乏性には時間をもてあましてしまいます。
 朝食を摂り、ロープウエイに乗って3人で姿見駅まで。標高約1, 100m(山麓駅)〜標高約1,600m(姿見駅)を結ぶロープウェイは日本初スイスガラベンタ社の101人乗りのロープウェイです。駅に降り立てばそこはまだ雪の世界。でも今年はしっかりと固まっていて、潜ることなく歩けました。早速可愛いノゴマがお出迎え。今日は野鳥の声が沢山聞こえます。これは良いかも?

 第1展望台、鏡池・すり鉢池の夫婦池を目指し、噴気口を覗き、姿見の池まで、主人は鳥撮りしながら、私は花撮りしながらゆっくりと歩きます。まだ雪が覆う道と溶けた部分がまだらな6月中旬は、大雪山固有の高山植物が数多く咲き、シマリスなども冬眠からさめ、空いたお腹を満たすかのように活発にお花畑に出てきます。
そしてこの時期、なんと言っても「氷河期の生き証人 ギンザンマシコ」が見られることが私たちがここを訪れる目的です。日本では北海道の大雪山系、知床半島、利尻島などで狭い範囲のみで繁殖しています。「氷河期の生き証人」といわれる所以は、氷河期に北から日本に渡ってきたのですが、その後暖かくなるとほとんどのギンザンマシコは北方へ去りましたが、その一部が寒冷な高山帯に取り残されたのです。


やっと雪が一部溶け、鏡池の名のごとく旭岳を写しています。



雪解けと共に咲くキバナシャクナゲ。シャクナゲの仲間の中では、最も高い場所に生えるシャクナゲで、ハイマツ帯におおい。



ピンクの可愛い提灯型したお花はエゾノツガザクラ。雪が溶けたところにピンクの絨毯が広がっています。



チングルマ。代表的な雪田植物で、花後の実の形が子供の風車(かざぐるま)に見えたことから稚児車(ちごくるま)・・・チングルマとなったらしい。


メアカンキンバイ。砂礫地に鮮やかな黄色の花が咲く。

 こんな花たちを撮りながらたどり着いた姿見の池。まだほとんどが雪に覆われていて、旭岳をほんの一部しか映す事ができません。


 それにしても、今日は観光客も登山者も少ないです。多いときは必ずそんな人たちに「何を撮っているんですか?」「何が出てくるんですか?」と大声で聞かれ、息を殺して待っている野鳥撮りの人たちはちょっと困るのです。(-_-;)
お陰で展望台も我が家で貸し切りみたいな状態。主人と娘は目をこらして鳥を探していますが、私は温まった木のベンチで一眠り。なんと心地良いこことか。雲上の楽園でのお昼寝です。シマリスはここでも良く出てきて、可愛い姿を楽しませてくれました。


この可愛い姿に癒されます。

何を掘っているのか、土を一所懸命に掘っています。

 さて、さて目的のギンザンマシコはどうなったのでしょう?そうなんです、そんなに簡単には出てこないのです。もったいぶっているんです、いつも。他の鳥は色々撮らせてくれるのですが、主役が撮れなければ山を下りる訳に行きません。そこでねらう場所を変えました。そこは一昨年も見た場所です。朝からねらっている人たちもいますが、まだ遠くに一度出てきただけだそうです。ここへ移って30分した頃でしょうか、すわっと動きがありました。出ました、出ましたギンザンマシコ。遠いけれど、それでも出てくれれば。

 長い一日でしたが、これで3人笑顔で温泉へ帰ることができました。 (*^_^*)