八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 鷹の渡り

Sep 21, 2010

鷹の渡り

 今日ははじめてタカの渡りで有名な「白樺峠」に行ってきました。野麦峠は大夫前に通ったことがありますが、白樺峠は初めてです。松本ICから上高地に向かって158号線を走ってくると、いくつかの細いトン ネルを通って、細いトンネルの中で急に道が二つに分かれ、右に行くと上高地、左に行くと白樺峠、木祖村方面と別れます。左に行きトンネルを抜けると目の前が奈川渡ダムです。左折でダムに添って走り、途中で奈川温泉、白樺峠方面へと右折します。この道は乗鞍高原、白骨温泉へと続きますが、今は方面崩落のため白樺峠から白樺橋まで通行止めです。細道をぐんぐん上っていくと白 樺峠で、トイレがあり、車が今日もいっぱいとまっています。さてここから20分ほど歩いて『たか見の広場』に行くようです。重たいカメラや重たい食べ物(?)を持って急な坂を登ります。(こんなに持って来るんじゃなかった!車で峠まで行き、そこで見られると思っていたのです。)
白樺峠と言うだけに周辺は白樺が多い林で、アキノキリンソウやノコンギク、マツムシソウ、ヤマハハコグサなどが沢山咲いていました。もう少し早ければヨツバヒヨドリやアザミが咲いていて、蝶も多かったのではないでしょうか。

 初めて『たか見の広場』に行ってビックリ。見晴らしよく木が除かれた斜面は階段状になっており、その上、階段状になった観察場所には、各段ごとベンチが置かれています。これは2000年に松本市奈川(旧奈川村)の許可を得て「信州ワシタカ類渡り調査研究グループ」が中心となって出来たもので、昨年、「松本市建設業協会」からベンチを寄贈されたようです。雨の避難小屋、トイレもあり、今日は車の売店も出ています。

皆さんそれぞれに陣取ってタカを待っています。こんなにまで整備されているとも、こんなにも人がいるなんて思ってもいませんでした。

 私たちも空いていそうなベンチを見つけ、「失礼します。」と先にいる方々に挨拶をしてベンチに。ふっと見ると、なんとそこには我が家のお客様が。
来る途中も、ここに着いてからもパラパラと雨が降ったりしていますが、今日のお天気予報は午後から晴です。それを信じて待ちます。駐車場で1羽のタカを見たきり午前中はタカが飛びませんでしたが、午後晴れてく るとやっと1羽、2羽と飛び始めました。青空も出て、気温も上がってきたので期待がふくらみましたが、今日は数十、数百羽のタカが一度に飛び立ち、上昇気流に乗って登るときにできるタカ柱ができるほど多く飛ぶことはなく、私たちが一度に一番多く見たのはたった6羽の群れでした。「信州ワシタカ類渡り調査研究グループ」の報告によると、今日の渡りのタカの数は21羽のようです。タカ柱を見ることができなかったのはとても残念ですが、単独で、少数で大空を上昇気流に乗って巻きながら登っていくタカの姿、優雅に羽を広げて大空の彼方に飛んでいくタカの姿を見送って、思わず「さようなら、無事についてね」と願わずにいられませんでした。