八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 第1回内藤いづみホスピス学校 in 清里

Dec 07, 2011

第1回内藤いづみホスピス学校 in 清里

  今日は清里のレストラン・ロックを会場として、「第1回 内藤いづみホスピス学校」 in 清里」が開講される日です。 今日は家庭科の授業で、「佐藤初女さんのいのちの声を聴く 心をほぐす食の力」がテーマです。会場に入ると今日の資料のところには2006年12月9日甲府で行われた内藤いづみ先生主催の「佐藤初女さんのおむすび」  の時の写真が飾られていました。これは私が撮って先生にプレゼントしたものです。5年もたって、押し花も色あせているのに飾っていただきとても嬉しかったです。なので私は初女さんにお目にかかるのは2回目です。今日も真ん前の席で、内藤先生や初女さんと膝を交えているような距離でした。
 今日のチケットはあっという間に売れてしまったというだけに、会場はいっぱいの人で埋まりました。
今日は学校なので「きおつけ」「礼」で始まります。久しぶりのこのかけ声に、心がタイムスリップして素直な気持ちで授業が受けられる気がします。
 1時限目は『森のイスキア』での初女さんの暮らしぶりを映画で紹介。雪解けの後に出てくるふきのとうにも、秋に出てくるキノコにもに話しかけているかのように一つ一つ丁寧につみ採ります。まさに大地からのいのちを慈しむように。そしてそのいのちと対話しているかのように美味しいタイミングを逃さず調理し、そっと優しく盛りつける。病んだ人が訪ねてくれば、その人の話にじっと耳を傾ける。そんなときも自分の考えは持たずに、無になって聴く。そして何度も何度も出てくるシーンが円卓を囲んだスタッフの方と訪問者の食事風景です。にぎやかにおしゃべりしている訳でもなく、それでも皆さん幸せな顔をして和やかに食卓を囲んでいます。多くの会話がなくても、食卓に並ぶ心をかけたお料理がそこにいる人の心をつないでいるようです。
そして訪問者が帰るときに鳴らされるイスキアの鐘の音がいつまでも心に響く映像でした。
 2時限目は内藤校長先生のユーモアに富んだお話の授業です。その中で私が心にとどめておこうと思うことは、「ホスピスは建物や場所ではなく、よりよく生きるのを支えるケアのこと、考え方のこと」だということです。それならば、私のできる範囲の中で私なりのホスピスを作ることができるのではないでしょうか。そんな風に思えてきました。内藤先生のお話は、毎回勇気づけられる何かをいただけるのが嬉しいです。そういえばこのホスピス学校も学校という建物がありません。毎回違う場所です。でもホスピスというケアや考え方を指導してくださる先生がいらして、それを学ぼうとして生徒が集まればそこが学校ですね。入学試験も年齢制限もなく入学できるのも嬉しい限りです。(笑)
 3時限目はいよいよ初女さんのお話です。5年ぶりにお目にかかると、足腰も耳も以前よりかよわくなっていらっしゃるようにお見受けしましたが、授業が始まるとその歳月が全く感じられず、原稿もメモもなしで、わかりやすく「すべてのいのちを慈しむ心」「いのちの作り出す食の大切さ」を講義してくださいました。若くして結核を患ったときに薬よりもご飯を食べたときに力が指の先にまで沸いてきたことを実感し、「食べる」と心は開くことに気づき、それを実践してきた方だからこその力強い信念が伝わってくる授業でした。
  4時限目は初女さんと内藤先生との対談でした。耳が遠くなった初女さんと筆談も交えながらの対談でしたが、「初女さんが苦しくなったときはどうするのですか?」という内藤先生から初女さんへの質問でしたが、答えは「私は苦しみを否定せずに、自分の心をまっすぐ見つめます。そしてどんな時も、苦しみを感じきることを大切にしています。しっかり事実を見つめて、苦しんでいる自分を中途半端にごまかさないという態度で自分の感情と接していると必ず打開策が見つかる。」そうです。
 今日も両手に持ちきれないほどのおみやげをいただき、迷い揺れながら歩いていたあることに指針を示してくれたような授業でした。
 午後は抽選で20名の方しか参加できないワークショップでした。おもてなしを体感し、初女さんのおむすびを体感し、いのちの食を味わうすてきなワークショップでしたが、私は参加できませんでした。でも参加したお友達がすてきな写真をおみやげに持ってきてくれました。
初女さんのおむすびの作り方はこちらで