八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 京都1日目 醍醐寺 宇治・平等院

Apr 01, 2008

京都1日目 醍醐寺 宇治・平等院

 奈良より桜の開花が遅れていた京都ですが、私たちが奈良を旅している間に大夫咲いたようです。
今日は醍醐寺に向かうことにします。霊宝館の枝垂れ桜は、他の桜より早く咲くからです。
思った通り、醍醐寺・霊宝館の桜は今が見頃とばかりに、「見て、見て」って咲いていまいた。
醍醐寺の桜といえば1598年3月15日の宴。北の政所(ねね)や淀殿(織田信長の妹お市のかたの子供茶々)を引き連れて開いた「醍醐寺の花見」で有名です。
今日は秀吉とねねになった気分でお花見を・・・とはいきませんが。
   
樹齢180年の枝垂れ桜 。まだ大丈夫?            樹齢150年の桜
               
京都市内で最大と言われる樹齢90〜100年、幹周りは3.25メートル、高さ11メートルのソメイヨシノ
醍醐寺の桜と言えばもう一つは「土牛の桜」。お隣三宝院にある桜で、こちらは樹齢100年で、見事に枝をひろげた桜。去年こちらは一番良いときに写真を撮ったので、今日は省略。
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                        昨年撮った土牛の桜
 こうして醍醐寺は八ヶ岳となにかと縁があるような気がします。昨年、ここで清春の桜をこよなく愛した岸田夏子さんの桜の絵に出会い、奥村土牛は八ヶ岳の麓・八千穂村に土牛美術館があります。私たちもそこを訪れたことが有るのですが、「土牛の桜」は有ったかどうかは覚えていません。今度行った時にはよーく見てきましょう。

                醍醐寺の外壁から溢れる桜、桜、桜
 さー、雨月堂でお昼をいただいて、他の桜も楽しんだら、さらに南下して宇治へと迎います。
 京阪宇治駅に降りると右手に蕩々と宇治川が流れています。今日は上流のダムで放流しているせいか強い流れです。ずっと来たかった宇治にやっと来られました。
宇治川沿いは桜満開のようです。後で歩くのを楽しみに、平等院へと。平等院は修学旅行できているのでしょうか?もう記憶にも有りませんが、今回の第一印象は思ってたより小さくて、老朽化が進んでいるとことでした。もっときらびやかなものを想像していたのは、創生当時の復元図をどこかで見て、 その印象が強かったのでしょう。しかし朽ちてはいるものの、そのきらびやかさは池の中に浮かぶ姿の美しさに表れています。また、阿弥陀堂(鳳凰堂)の中に立てば、ミュージアムで見た復元した極彩色の映像が、そのままここに再現されて、私の目に投影されてきます。鳳凰堂の池に面する格子が一部抜けています。これは池の向こうに立つと、阿弥陀如来座像のお顔がそこに見えるようになっているのです。写真は池の向こうから見たお顔。昔、この阿弥陀堂に入ることが出来なかった人々が、外からもお顔を拝むことが出来るようにという配慮でしょうか。
 いま銀閣寺の修復で、創建当時のように漆を塗ると、いまの侘び寂びのイメージがこわされるとの寺側の意見らしいですね。この鳳凰堂の中に立って、そのことが急に思い出されました。ここの老朽化も激しく、壁画などは当時の面影をほとんど見ることが出来ません。もしここが創建当時のようにきらびやかな極彩色で飾られるとなった、これもまた反対するのでしょうか。朱がが剥げ、木が向き出しになって、いまにも朽ちそうなここを見て、銀閣寺もそれが創建当時の姿であるならば、漆で被うべきでは・・・と思うようになりました。 この漆に月の光が反射して建物が銀色に見えたことから「後に」銀閣と呼ばれるようになったということだし。漆は器でも分かるようにとても強く、木を守っています。漆を塗ったのは先人の知恵ですね。


      しだれ桜と鳳凰堂             鳳凰堂と呼ばれるゆえんの美しい鳳凰
 ゆっくりと平等院を見て、夕暮れの宇治川沿いを散歩している内に陽が傾き、夕日が桜を茜色に染め始めました。風もちょっぴり冷たくなって来ました。今日は醍醐寺にも平等院や宇治にも大満足。帰りはJR宇治駅から京都駅へと戻り、河原町で娘と待ち合わせ。お寿司を食べて帰ります。