八ヶ岳 「ペンションあるびおん」の日々 : 京都旅行 その一

Dec 05, 2008

京都旅行 その一

 京都から戻って早5日が経とうとしています。 恒例の一日ドックや、季刊紙の編集、お仕事などで写真の整理もまだ全部は終わっていません。でも少しずつ旅日記を書き始めようと思います。
 11月26日の夜行バスで小淵沢を発ち、27日の朝には京都八条口に着きました。 まずは娘のマンションに荷物を置き、一休みをして京阪・桂駅に向かいます。ここでK様にお出迎えいただき、京都の旅の始まりです。今回は札幌に住む私の姉家族4人も一緒の旅です。
 今回は京都の伝統工芸の技、舞扇の仕上げ(ツケ)作業を見せていただくことから。扇がどのよに作られているか、それは想像していたものとは大違いで、各工程で技と技が積み重ねられて、素晴らしい舞扇が作られていることをあらためて知りました。さらに体験までさせていただきました。地紙加工で何枚かの紙が合わされ、絵を描き、折りたたまれたものがあります。乾かした地紙に中骨を差し込む為の道(空洞)を「差し竹」という竹べらであけます。(写真右上)これを中差しといいます。ここに口を付け、中差しで開けられた穴に息を吹き入れて中骨を差し込み易 いように穴を広げます。(写真左)これを地吹きといいます。この作業も、強く息を吹き入れれば扇面の上まで穴が通ってしまいますし、弱ければ穴が空きません。一体何年かかったらほどよく穴が空くのでしょう。そして次はこの穴に、細く薄く削った中骨の先端に糊を付け差していきます。これを中附けといいます。奥様が手際よく、何気なく続けられる作業も、実際体験さていただくと、初めの 1、2本が入っても、3本目が入ると1本目が抜けたり・・・四苦八苦。それも私たちの中骨には糊がついていませんが、実際には糊がついてぺたぺたしたものを折りたたんだ紙の中心に綺麗に瞬く間に入れていくのです。熟練とはこういうことですね。京都ならではのお仕事であり、伝統工芸を守るお仕事です。これからは扇を見る度に、この工程を思い出すことでしょう。本当にみんなでいい体験をさせていただきました。 この時の様子はアルバムでご覧下さい。
 次はオナーご夫婦の雰囲気のよい喫茶店で美味しいランチをご馳走になり、k様のご厚意に甘え、西京区の観光に出かけました。何度も京都に来ていながら、まだ私たちにとってはほとんど歩いていないところなのでとても楽しみでした。
 桂はちょと前までは竹藪だらけだったとお聞きしましたが、その名残の竹藪が今でも沢山残っていて、竹藪と竹藪の間に道路が走っています。食いしん坊の私は「筍いっぱい採れそう」なんてついつい思ってしまいます。
 やがて着いたところが西山浄土宗総本山光明寺。頭上を覆うようなモミジと散りモミジが美しい緩やかな階段・女人坂を登ります。モミジを通した光は石畳もあたり一面も赤く染めま す。薬医門をくぐると、左手に梵鐘があり、御影堂の手前に、ここを開山された法然上人の銅像が紅葉に覆われて立っています。御影堂に入り渡り廊下を歩いていくと、丁度お坊さんが突き当たりで鐘を撞いていました。さらに階段を下っていくと左手眼下に信楽庭(しんぎょうてい)と 勅使門が見えてきます。回廊に下がった灯籠と信楽庭の写真を撮ってみました。「白州(しらす)に大小18個の石を配した庭は、生死の大海を渡る行者の姿を現しています。」と書いてありました。こうして大きなお堂の中も見ることができたのに、心残りは肝心な「張り子の御影」を見ることを忘れたことです。紅葉に見とれ外ばかり見ていたようです。
帰りは通称「紅葉参道」といわれる坂を下って来ました。幾重にも幾重にも重なるモミジ。赤、橙、黄色、緑とそれぞれが他の色を引き立て、調和を保つ自然の創り出す景色、色彩に驚かされます。

光明寺の紅葉アルバムもご覧下さい。 

 車で次は善峯寺へと案内していただきました。ここは一山丸ごと境内のようです。階段と坂の連続ですが、日本一の松や、多宝塔等がつぎつぎ現れ、上に行くにつれ景色も広がり、霧に霞んだ京都の町とかすかに見える比叡山を眺めながら、さらに上へ上へと続く境内を登っていきます。上部に行くと足元に広がる境内も、周りの山々も錦織りのごとくの紅葉です。京都は近郊の高い山に登ると、中心に市内の町が見え、その向こうに対する山が見え、本当に盆地の中に京の町があることを感じます。そしてそれを囲む山々がほとんど信仰の山であるというのは、京都の長い歴史を物語る何ものでもありません。


善峯寺のアルバムもご覧下さい。

 そして今日の最後はいつもの『石塀小路・豆ちゃ』でお夕食。今回は7人で個室。ちょっと暗すぎるくらいのお部屋で「これ何かしら?」と光に当て、みんなで笑いながら次々出てくる創作料理を楽しみました。